こんにちは。グリーンコーディネーターの大川です。
前回お伝えした通り、今日は日頃使っている剪定ばさみの研ぎ方についてお伝えしたいと思います。
研ぐタイミングは「切れなくなったら」。
はさみを研ぐと使っていて気持ち良い(←いちばん大事かも…笑)のはもちろん、剪定した植物に対する負担が少ない(回復が早い)、使用時に無理な力が入らないのでケガの可能性が低くなる…といった効果があるんです。
まずは私が研ぎに使っている道具 3つです。
左から、ヤニ取りスプレー、園芸刃物用砥石(手前)、刃物用椿油です。
使用後のはさみは泥、樹液などで汚れており、そのまま放っておくと錆びてしまいます。錆びたはさみは研いでも切れ味が戻らなくなってしまう場合があるので、はさみを使った後はまず、研ぐ前に水洗いして汚れを拭きとってあげましょう。
水洗いしても落ちない樹液などの汚れはヤニ取りスプレーで落とします!汚れにスプレーして30秒ほど置き、雑巾でこすると落とせます。
汚れが落ちたらいよいよ研ぎです!私の使用しているはさみは2種類(大久保鋏、芽切剪定鋏)あるので、それぞれでお伝えします。
~大久保鋏編~
砥石はあらかじめ水に浸しておきます。水をかけながら研ぐので、流水にくぐらす程度で大丈夫です。
はさみの刃を最大まで開き、砥石の長辺をあてて研ぎます(砥石のどこを刃にあてるかについては、人によって大きく異なるようです…。いくつか試してみても良いかもしれませんね。)
このとき、刃に対して砥石を当てる角度が最も重要になります。
…分かりづらいですね。図を用意しました。
刃にピッタリ砥石を当てず、約20°(10円玉2枚がスキマに挟まるくらい)傾けて研ぎます!
こうすることでしっかり刃が付き、かつ刃先が薄くなり過ぎないので、刃の欠け(刃こぼれ)を防げるんですね。
こまかな刃こぼれが大まかに取れるまで、研ぎます。
充分に研いだら裏刃(はさみの刃と刃が合わさる側)からも同様の角度で2-3回だけ軽く砥石を当てます。これも刃こぼれを防ぐ為です。
(なお、裏刃はしっかり研いではダメです!はさみの合わさりが緩くなり、切れなくなってしまいます。)
これで研ぎは完了!
仕上げにさび止めと汚れ防止のために椿油を薄く塗り、メンテナンスは終わります。慣れると5分くらいで出来るようになりますよ。
~芽切剪定鋏編~
剪定鋏は普通のはさみと異なり、片方の刃(切刃)のみに「刃がつけて」あります。研いであって、触るとケガをしてしまう状態という意味ですね。
刃がつけられていない方の刃(受刃といいます)は基本的に研がなくて大丈夫ですが、汚れていたり、切り刃を研いでも切れ味が悪い場合は研ぎます。
この際、砥石の角度は刃に対してピッタリくっつけた状態(0°)で研ぎます。
切刃の研ぎ方は大久保鋏とほぼ一緒です!汚れを落とし、バネを外して研ぎましょう。
仕上げに椿油を塗って、メンテナンス完了です!
ここまで剪定鋏2種類の研ぎ方をお伝えしましたが、私もまだまだ練習中。
とはいえ、思ったようにバッチリ切れるようになると、園芸作業のモチベーションは段違い。
皆さんも剪定ばさみ、ぜひ研いでみてくださいね。(こんな研ぎ方もあるぞ!というご教示もお待ちしてます!)