台風が来る前に観葉植物・グリーンを守る対策|自宅編・施設編

窓の外で鉢植えがカタカタ揺れている。
ベランダに出しっぱなしの観葉植物、このままで大丈夫かな…。

台風が近づくたびに、そんな不安を感じたことがある方は多いのではないでしょうか。

オフィスや店舗のエントランスを任されている方であれば、屋外に置いたプランターや植栽の支柱が心配になるタイミングでもありますよね。

この記事では、台風・強風が来る前にやっておきたい対策を、自宅の鉢植え編と施設・法人編に分けて解説します。

自宅の観葉植物が気になる方は「自宅編」へ、オフィスや店舗の屋外グリーンを管理している方は「施設・法人編」へ、それぞれ読み進めてみてください。

現場で植物と向き合ってきた私たちの視点も交えながら、今日からできることをまとめました。

台風が来る前にまず確認すること

対策を始めるタイミングは、自宅でも施設でも共通しています。まずはここから確認しましょう。

進路と接近タイミングの確認

気象庁や民間の気象情報サービスが発表する台風の進路予報・暴風域に入る確率を確認します。

「暴風域に入る確率」は、その地域が実際に暴風域に入るかどうかの見込みを示す数値で、進路予想円だけでは分かりにくい接近リスクの目安になります。数値は台風の動きに応じて変わるため、直前まで随時確認することが大切です。

対策を始める目安

対策は、遅くとも風雨が強まる前日までに終わらせておきましょう。台風は接近直前になると風雨が急に強まることがあり、当日になって屋外作業をするのはかえって危険です。

天気予報で「〇日後に接近の見込み」と出た時点で、後述する対策の準備を始めておくと余裕を持って動けます。

【自宅編】鉢植え・観葉植物を守る台風前の対策

ここからは、自宅やベランダで観葉植物を育てている方向けの対策です。

室内に入れる

台風が近づいたら、屋外やベランダに置いている鉢植えは、可能な限り室内に入れることをおすすめします。

玄関や廊下、浴室など、鉢を置くスペースを確保しやすい場所へ移動させましょう。強風で飛ばされる心配がなくなるだけでなく、雨や飛来物による葉や幹の傷みも防ぎやすくなります。

また、室内に入れられない大型鉢は、できるだけ壁際や建物の陰へ移動させましょう。風を直接受けにくくするだけでも、転倒や枝折れのリスクを減らせます。キャスター付きの鉢台を使っていると、こうした移動がしやすくなります。

屋外に置いたままの場合の固定・養生

どうしても屋外に置いたままにする場合は、転倒対策が欠かせません。鉢の周囲に重しを置く、または結束バンドやロープで手すり・フェンスなど動かない場所に固定する方法があります。プラスチック鉢のように軽い鉢は特に倒れやすいため、優先して固定してください。

葉や幹が傷みやすい植物の場合は、不織布や園芸用の防風ネットで軽く覆っておくと、強風による葉の擦れや折損を減らしやすくなります。風向きが強い方向に葉が集中して当たらないよう、鉢の向きを変えておくのも有効です。

長雨が続く場合の水やり・過湿対策

台風の前後は雨が続くことが多く、水やりの判断に迷う方も多いのではないでしょうか。ここは屋外か室内かで対応が変わります

屋外に出したままの場合は、雨が土に十分行き渡っているため、追加の水やりは基本的に不要です。むしろ受け皿に水が溜まったままにならないよう、こまめに確認してください。受け皿の水を放置すると、根が酸素不足になり根腐れの原因になります。

室内に入れた場合は、普段どおりの水やりの目安で構いませんが、湿度が高くなりやすい時期のため、土の表面が乾いてから与えるようにしましょう。

長雨明けに急に晴れて蒸し暑くなると過湿状態が続きやすく、根腐れのリスクが高まる時期でもあります。夏場に多い過湿トラブルについては観葉植物が夏に弱る3大トラブルでも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

大雨のあとは土の状態や枝の傷みにも注意

台風などで大量の雨が鉢土を通り抜けると、水と一緒にカルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラル分が流れ出し、土の養分バランスが崩れたり、酸性側に傾いたりすることがあります。

現場では、こうした長雨後の土の変化も重要な確認ポイントになります。葉の黄変や生育の衰え、花付き・実付きの悪化などが見られる場合は、過湿だけでなく土のpHや養分状態も疑います。

対策としては、植え付け時に用土の状態を見ながら苦土石灰や有機石灰で酸度を調整したり、排水性と保水性のバランスがよい用土を使ったりする方法があります。また、雨上がりには、鉢土が十分に乾いてから、必要に応じて水を通して、土に残った余分な成分を洗い流すこともあります。

ただし、石灰の量や水やりの判断は、植物の種類や現在の土の状態によって変わります。特に長雨の直後は過湿になっていることも多いため、一律に追加するのではなく、土の乾き具合やpHを確認しながら調整することをおすすめします。

鉢の表面をバークチップなどで覆っておくと、雨が直接土に当たるのをやわらげ、表土の流出や急激な状態変化を抑えやすくなりますよ。ただし、台風時は飛散しないよう状態を確認しておきましょう。

さらに、台風後は土の状態だけでなく、強風による葉や枝の傷みも確認しておきましょう。

強風のあとには、葉が擦れたり傷んだりして落ちることもあります。もし台風のあとに葉がたくさん落ちていて心配な場合は、「ゴムノキのこんな葉落ちがあったら危ないかも…」で、心配な葉落ちとそうでない葉落ちの見分け方を紹介しているので確認してみてくださいね。

【施設・法人編】屋外植栽・エントランスグリーンの台風前点検

ここからは、オフィスや店舗の屋外植栽・エントランスグリーンを管理している方向けの内容です。

台風前の点検項目

私たちが屋外植栽の管理現場で台風前に確認するのも、まず支柱・排水・鉢や資材の固定です。特に見落としやすいのが、普段は問題のない支柱の緩みや排水口の落ち葉です。

  • 支柱の状態確認: 支柱と樹木を固定している結束部分が緩んでいないか、支柱自体がぐらついていないかを確認します。緩みがある場合は、台風前に締め直しておきます。
  • 排水経路の確認: 植栽桝(しょくさいます)やプランター周辺の排水口・側溝が落ち葉や土で詰まっていないか確認します。詰まったままだと大雨の際に水が溜まり、根腐れや水はけの悪化につながる場合があります。
  • プランター・鉢の固定: 軽量なプランターや可動式の鉢は、強風で転倒・移動するおそれがあります。固定金具の使用や、一時的に安全な場所へ移動することを検討してください。
  • 飛散しやすい資材の一時撤去: 装飾用の軽い資材や、固定されていない鉢カバー、化粧砂利などは、飛散して事故につながる可能性があるため、台風前に一時撤去しておくことをおすすめします。

台風後の点検・回復対応の流れ

台風が過ぎたら、できるだけ早いタイミングで屋外植栽の状態を確認します。枝が折れている、幹の一部が裂けている、株全体が傾いている(倒伏)といった状態が見つかることがあります。

軽い枝折れや葉の傷みであれば、傷んだ部分を整える程度の応急対応で済むこともあります。

一方、幹が大きく裂けている、根元から倒れている、樹木全体が大きく傾いている場合は、無理に自社で対応せず、専門業者に相談することをおすすめします。倒木や落枝は、見た目以上に周囲への安全リスクが高い場合があるためです。

こうした判断に迷う場合や、台風シーズンに備えて日頃から専門スタッフに定期点検・管理を任せたいという場合は、私たちの管理事例もご参考にしていただけます。

台風通過後にやること

台風が過ぎたあとは、自宅でも施設でも共通して確認しておきたいことがあります。

折れた枝葉の処理

折れた枝や傷んだ葉は、そのままにせず取り除きます。傷んだ部分から病気が入るのを防ぐため、清潔なハサミで切り口を整えておきましょう。切り口が大きい場合は、園芸用の癒合剤(切り口を保護する薬剤)を使う方法もあります。

根の状態確認としばらく様子を見るポイント

見た目に大きな変化がなくても、強風で株が何度も揺さぶられると、根が傷んでいることがあります。しばらくの間は、葉のしおれや変色がないか、土から株がぐらついていないかを、いつもより気にかけて観察してみてください。

数日〜1週間ほど様子を見て、しおれや変色が出てきた場合は、水やりや置き場所に問題がないか改めて確認しましょう。

塩害の確認

海に近い地域では葉に潮風が付着して傷むことがあります。台風後に葉が白っぽくなっている場合は、葉の表裏を水で軽く洗い流しておきましょう。

まとめ|早めの備えで台風シーズンを乗り切る

台風前にやっておきたいことを振り返ります。

  • 進路とタイミングを早めに確認する: 風雨が強まる前日までに対策を終える
  • 自宅の鉢植えは室内へ: 入れられない場合は固定・養生で対応
  • 長雨中の水やりは屋外・室内で判断を分ける: 屋外はむしろ受け皿の水はけ確認を優先
  • 大雨後は土の状態も確認する:長雨後は養分流出やpHの変化にも注意
  • 施設の屋外植栽は支柱・排水・固定をチェック: 台風後は無理せず専門業者への相談も検討
  • 通過後は枝葉の処理と、しばらくの経過観察を忘れずに

台風はある程度進路を予測できるからこそ、早めに動けるかどうかで植物へのダメージも変わります。大切な緑を守るために、天気予報をこまめにチェックしながら、できるところから備えていきましょう!

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