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芝生化の方法
校庭や園庭を芝生化する方法として、芝生の種子をまいて芝生化する「播種法」(はしゅほう)や四角にカットされた芝生を張っていく「張り芝法」(はりしばほう)などがあります。
また使われる芝の種類も古くから庭園等を造園施工する際に利用されてきた高麗芝(コウライシバ)や野芝(ノシバ)が一般的でした。
ただし、これらの芝の生長速度はゆっくりなので、観賞用として利用する場合には、芝刈りなどの回数は少なくて済むなどの利点がありますが、校庭や園庭のように激しい踏圧を受けると回復が遅いため、芝生の一部が剥げてしまったり、長期の養生期間を設けたりする必要があります。
さらに全ての施工を専門業者に委託すると高額の経費(1平方メートル当り5,000円〜10,000円程度)
がかかる事が芝生化の普及が進んでいない理由のひとつです。
さらに、芝生の施工は全て業者に一任し、引渡し後のアドバイスも不十分のため、利用はすべて学校側の行事予定とおりに行った結果、激しい踏圧を受けて、せっかくの芝生化も失敗に終わるケースも多いようです。
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低コストな芝生ポット苗工法
低コストな芝生化の方法のひとつとしてバミューダグラスの一種であるティフトン芝を利用したポット苗工法による芝生化があります。
ティフトン芝の最大の特徴は、その旺盛な成長力にあります。 従来のコウライシバに比べておよそ20倍以上に達すると言われる成長力で初夏に植え付けしたティフトン芝のポット苗(5cm×5cm)は、およそ3ヶ月で1平方メートル以上にまで広がります。このティフトン芝のポット苗を利用した芝生化をポット苗工法による芝生化と言います。
このポット苗の植付けは専門業者の手を借りずにできるので大幅な施工費の削減が可能です。さらに、自分達の手で自ら芝生化を実践することになるので、芝生に対する愛着もわき、
その後の芝生管理においても高い意識をもって積極的に携わることができます。
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園児達でもできるポット苗工法の実証試験
学校の校庭や園庭を低コストで芝生化することを目的として、バミューダグラスの一種であるティフトン芝のポット苗を利用したポット苗工法による芝生化の実証試験を行いました。
柏市内幼稚園の園庭1200平方メートル(約360坪)にティフトン芝のポット苗を1平方メートル当り5ポット程度移植し、合計6000ポットの苗を園児達(450名)と一緒に植付けを行いました。
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事前準備として
ポット苗の植付けの前日に、事前準備として園庭の表面にある川砂を撤去しました。
また、ポット苗を植え付けるための穴空け(直径5cm深さ5cm程度)を行いました。
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ポット苗の作り方
現在、ティフトン芝は主に鳥取と鹿児島から取り寄せることができます。 5×5の合計25穴の苗床に軽く土を入れます。
切り芝を3cm×3cmほどのサイズに切り分けて苗床の上に置いていきます。
その後、ティフトンの葉が見える程度の少量の土をかぶせます。 肥料(N:P:K=10:10:10)を40g/平方メートル程度を目安に散布します。
最後に十分な散水を行い、日当たりの良い場所に並べて置きます。 こうしておよそ30日前後でポット苗が完成します。
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ビッグロール工法
ポット苗工法の場合、芝生を植付けをした後約2ヶ月から3ヶ月の養生期間が必要となります。
またポット苗工法が可能な時期は6月〜7月の間(関東以南)にほぼ限られてしまいます。
一方ビッグロール(大判ロール芝)工法では、芝生の養生期間の大幅な短縮(約1ヶ月)が可能になります。
さらに施工時期に関してもポット苗工法に比べてもかなり融通がききます。
このように芝生化を予定している施工場所の条件に応じてポット苗工法とビッグロール工法を適材適所で織り交ぜて併用していく事も重要です。
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ビッグロールを載せた大型トラック
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幅75cm長さ11mの大判ロール芝
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ビッグロールの敷き詰め作業
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専用のインストーラーで敷き詰めていきます。
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スプリンクラーのヘッド出し
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敷き詰め後タップリと散水します。
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1ヵ月後共用開始
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芝刈り風景
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